
花が咲いた
冬に聴く
子守歌のような花が咲いた
遠い昔に聴いた うた
花が咲いた
冬に聴く
子守歌のような花が咲いた
遠い昔に聴いた うた
朗読
ぶつぶつ
もぐもぐ もぐもぐ
言葉を食べる
ぬるっとした感情をいったん置いて
そのうちやってくる
かもしれない
あ
おいし
という瞬間のために
世界が静けさをとりもどしてゆく
白い雨
糸のように
色褪せたカーテンと秋の光は
きっとなかよし
水面の青
空の青よりも深く
静寂に沈む 小さな祈り
冷たい床に寝ていた猫が
ソファーにまるまった日
秋が 一歩すすんだ
おはよう 朝
近くで鳥が鳴いてる
猫が それを目で追う
細いひげ 光ってる
いつもの朝
手を止めると
美しいものが そこにも ここにも
転がってる 聴こえてくる
でも 立ち止まらないと
ささやかすぎて拾えない
額に映り込む 朝のひかり
こどもの小さな温かい手
猫の足音
白く揺れるやかんの湯気
ちいさく
ふるふると
心をゆらすものたち
ささやかなものが 日々を支える
歩いてきた道
足へのいたわり
眠れない夜を越えて
星の美しさを知る
もう 靴下を履かないと
おはよう 太陽
夏休みが終わるね
蝉はないてるけど
娘が、あやとりをしていて、
そのうち うまくいかないと
癇癪を起こして
それが こっちに向かってくる
こっちも余裕がある時はまだしも
ほんとに まあ
勘弁してよと言いたくなる
泣いて怒って そのうち
あやとりなんか!
とか言い出す
いやいやいや 違うでしょう
ほんとはしたいんだよね
あやとり大好きなんでしょ
したいけどできないから
悲しくなってるんでしょ
とかなんとか言いながら
とりあえず抱っこして
一緒にしよっか なんて言うと
マーマー
助けてよー
なんて言いながら泣いてる
仕方ないなあと思って
わたしの方があやとりできないけど
一緒にしてると
そのうち
自分でするとか言いながら
自分の力で伸びてく
中学生も同じで
体は大人みたいだけど
修学旅行ひとつに不安になって
でも まわりの大人が
そうだよね
お腹痛くなるよね
でも みんなそうだよって
言ってくれたりすると
ちょっと頑張れたりする
こどもって
まだ言葉が心と繋がらないから
まわりの大人が
少し代弁してあげたり
ちょっと寄り添ってくれると
安心して
そうやって これから
出会う世界と
コミュニケーションを作っていくための
言葉を獲得していくんじゃないかな
だから
おとなは
もう忘れてしまうんだけど
ほんの少し
思い出して
どんな小さな
そんなものよ
と言いたくなるようなことも
そうねって 聞いてあげると
きっと安心して
少しずつ おとなの世界に
降りていけるんじゃないかな
そうだといいね と
思います。