
こどもが言う
ここにはぜんぶあるよ
わらい声と いのちの巡り
こどもが言う
ここにはぜんぶあるよ
わらい声と いのちの巡り
静かに 願う
きれいね
小さなよろこび
壁があれば
考え過ぎて
動けなくなるくらいなら
それが嫌なら
登ってみなさい
と、言ったわけではなく
海辺であそぶ
近頃
寝付きが悪い
眠れない
そんな言葉が聞こえてきて
そうか…
ふーん、なんでかなぁ
と聞きながら
海の近くまで
行ったので
寄り道をする
すこーーーーんと
晴れわたる空と海
思わず
すごいー
ひろいー
わーーー
と それしかでない
あなたが小さい頃
わたしがいちばん大事に思って
いたのは
これでしょう
と思う
一瞬にして
頭を空っぽにしてくれる
そういうものとの出会いが
生きるときに
ものすごく
力を与えてくれる
そこに戻れば
大丈夫なんだと
信じられる感覚
そういうことを
貯めていってほしい
砂だらけになって
娘におみやげに貝を拾って
帰りました。
よく眠れるといいね
銀の花 咲く
土にころんで
ころんだ子の土を払った
受けとめてくれたのは 土
たくさんころんで おぼえなさいね
土の匂い
春
春
春
こーい
冬の雨
昨日の一歩は軽かったのに
こんなに一歩が重いなんて
歩き続けたら
晴れの日には見られない景色に出会えるんだろうか
冬の朝
猫がもどす
背中の向こうに白い湯気
生きてる
ふたつのせなか
机に向かう
交わらない平行線
気配のあたたかさ
ここにも星屑
ちがう星の集まり
満天の夜空をつくる
空気が締まってくると
なにかが澄んでいくような気がする
冬の朝にだけ さしこむ光
人が亡くなることは
図書館をひとつ
失うことだと
優しい雨の夜
小説は昨日の続き
花が咲いた
冬に聴く
子守歌のような花が咲いた
遠い昔に聴いた うた
朗読
ぶつぶつ
もぐもぐ もぐもぐ
言葉を食べる
ぬるっとした感情をいったん置いて
そのうちやってくる
かもしれない
あ
おいし
という瞬間のために
世界が静けさをとりもどしてゆく
白い雨
糸のように
色褪せたカーテンと秋の光は
きっとなかよし